新薬・治療

新しいタイプの片頭痛予防薬が発売されました


エムガルディ
三叉神経から分泌される血管拡張物質カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が、血管の受容体に接着するのを妨害して、片頭痛の発症を予防するとされています。


初回に2筒、次回はひと月ごとに1筒づつ、合計3回皮下注射します。
アレルギー反応などを除けば格別の副作用はないようです。

適応は片頭痛が高度で、過去3か月間に12回以上の発作があること、トリプタン製剤など頓服薬が無効なこと、デパケン、ミグシス、テラナスなどの経口予防薬が無効なことが揚げられています。

抗体製剤なので薬剤費が高額ではあります。(3割負担で1筒 1万2000円程度)

アイモビーク
三叉神経から分泌される血管拡張物質(CGRP)自体に結合しCGRPが血管の受容体に接着するのを妨害して、片頭痛の発症を予防するとされています。

エムガルディ同様、ひと月ごとに3回皮下注しますが一回目も1筒で済みます。
   

          
アジョビ
エムガルディ同様CGRP抗体ですが、毎月1筒、3回投与のほか、半減期が長いため一度に3筒、3か月ごと投与も可能です。毎月通院できない方には好都合な薬剤です。


新世代抗てんかん薬

従来の抗てんかん薬と作用機序を異にして、お年寄りの部分てんかんにも比較的安全に使える、薬が発売になっています。

ガバペン(ガバペンチン、ファイザー) 他剤との相互作用が少ない
             神経障害性疼痛にも適応あり
ラミクタール(ラモトロギン、GSK)いろいろなてんかん発作に有効
                  気分障害にも適応あり


イーケプラ(レペチラセタム、大塚) 他剤との相互作用が少ない


フィコンパ(ペランパネル、エーザイ) 
                                              AMPAグルタミン酸受容体に作用


ピムパット
(ラコサミド、第一三共)  他剤との相互作用が少ない




トピナ(トピラマート、協和発酵キリン)難治性部分てんかんに有効



新しいタイプの睡眠薬が、発売になりました


ラメルテオン(商品名 ロゼレム)

 生理的な睡眠ホルモンのメラトニンを薬にしたものです。
         

スボレキサント(商品名 オレキシン)
 生理的な覚醒経路であるオレキシン受容体をブロックして、睡眠効果をもたらします。
                  

レンボレキサント(商品名 デエビゴ)
デエビゴ」は、脳内で覚醒に関与するオレキシン受容体の2種のサブタイプ(オレキシン1および2受容体)に対し、オレキシンと競合的に結合する拮抗剤です。覚醒を制御しているオレキシン神経伝達に作用し、睡眠覚醒リズムを整えることで、入眠と睡眠維持および覚醒を調整すると考えられています。          

 現在、不眠症治療の中心となるのは薬物療法です。使用される睡眠薬としてはトリアゾラム(商品名ハルシオン)、ブロチゾラム(商品名レンドルミン)、リルマザホン(商品名リーゼ)などのベンゾジアゼピン系とゾルピデム(商品名マイスリー)、ゾビクロン(商品名アモバン)などの非ベンゾジアゼピン系が主でした。

 睡眠薬の処方頻度が高まる中、高い治療効果はあるものの、一部の患者では長期服用時の依存(耐性、離脱症状、高用量投与、多剤併用)や乱用(過量服用など)が大きな社会問題となっています。

*上記3つの新規睡眠薬はいずれも生理的に睡眠覚醒を調節するホルモンに作用し、穏やかで、自然に近い睡眠がもたらされるとされています。一度試されてみる価値はあるでしょう。


非弁膜症性心房細動による脳塞栓症に対する新しい予防薬

   
    イグザレルト 10mg錠 15mg錠  一日1回服用

                        
                        プラザキサ 75mg錠 110mg錠
                          一日2回服用     
 

従来のワーファリンを服用中は、納豆や緑色野菜を取ることが禁止されていましたが、これらの新薬はその必要がありません。また、毎月の血液チェックも不要、万が一何かの手術が必要になった場合でも24時間の休薬で抗凝固作用は消失します。ただ、高齢の方や腎機能の低下している方は容量を減らすなどの注意が必要です。


片頭痛の治療薬には各種ラインナップがそろっています。内服薬だけでなく点鼻薬、皮下注射薬があり、この順に吸収が良くなり、鎮痛効果が早く現れます。かかりつけの先生にご相談ください。


上から点鼻薬、内服薬、皮下注射薬

                 
アルツハイマー型認知症の添付剤が2社から発売になっています。 認知症が進行して内服を拒否したり、胃腸症状の副作用がある方には適応があります。従来のドネぺジル(アリセプト)より日常生活動作改善効果が優れているとの報告もあります。

毎日1枚ずつ体に貼る薬です



アルツハイマー型認知症の新薬が発売になりました。比較的高度の認知症の方が適応です。従来のドネぺジル(アリセプト)とも併用可能。長期処方も可能になっています。

商品名メマリー、一般名メマンチン
一日一回、徐々に増量する薬です


アルツハイマー型認知症の新薬が発売になりました。軽度方中等度の認知症の方が適応です。従来のドネぺジル(アリセプト)と併用はできません。
  

商品名レミニール、一般名ガランタミン
一日2回、徐々に増量する薬です